九州経済調査協会が29日発表したリポート「日韓海峡圏の新たな観光戦略」では、韓国人にとって温泉地が九州の大きな魅力で、実際にはツアー客の宿泊の8割が別府に集中するなど、有名な一部エリアに人気が集中している実態が浮き彫りになった。日韓両国の統計データや聞き取り調査などを基に、九経調が独自に分析した。
九経調が韓国最大手の旅行会社にヒアリングしたところ、韓国人の間では「九州は日本で最も温泉が良い地方」という印象があるという。ただ、実際の訪問先は別府、湯布院、黒川の3温泉、中でも別府に集中している。交通の便の悪さから南九州に立ち寄るツアーはほとんどなかった。
韓国観光公社の07年調査では、日本への訪問目的は(1)観光地訪問84・7%(2)ショッピング81・0%(3)温泉46・0%(4)グルメ22・5%と続き、米国や中国への訪問目的にはない温泉やグルメがランクインしている。別の調査ではウォン高などから、日本を行きたい国に挙げる人が25・5%でトップだった。
九経調は「今後も観光客は増えるが一部観光地の情報しか伝わっていない。韓国もこれらの温泉に続く新たな観光地を探しており、他の地域も今が売り込みのチャンス」と指摘している。
出典:毎日新聞