2008年6月1日日曜日

消費者の「ぜいたく観」に変化~不況時は自然と保守的に

 経済の低迷を受け、消費者が考えるぜいたくの内容が変化している。

 AP通信によると、ウェストバージニアのワイン店ワイン・ラックでは最近、10ドル以下のボトルに人気が集まっている。以前はこうした安ワインには目もくれなかった裕福な客でさえ、店員においしいと勧められれば手を伸ばすようになっているが、やはりお金持ちだけにケースで購入することが多いという。

 必需品かぜいたく品かの最終的な判断は、その人の金銭的ゆとりや社会的地位はもちろん、その地位への執着度、対象への思い入れなどで違ってくるが、米国人がこうした定義の見直しを迫られていることは数字にも表れている。グルメコーヒー大手スターバックスは赤字100店舗の閉鎖を進めており、トラック、スポーツ多目的車(SUV)、大型セダンの販売は低下し、小売店は価格を下げて客を呼び込んでいる。

 消費者の約94%は期日内に住宅ローンを払っているが、そのためにぜいたくを控え、蓄えを切り崩す人もいる。経済が比較的堅調な地域でも節約ムードは高まっており、コンサートや劇場に行くよりもハイキングを楽しみ、クーポンを利用し、通勤では車を相乗りして、買い物は必要物資に絞るという人も増えている。

 ボストン・カレッジのジュリエット・ショー社会学者は、「かつてはぜいたく品だった自動皿洗い機、洗たく機、カラーテレビも今では標準となり、必需品の概念は常に変化している。苦しい時には世間体のための余分な出費が減り、周りが苦しんでいれば裕福でも派手な消費はしづらいもの。このため人々は購入を先に延ばし、借金を減らすなど、より保守的になる」と話している。

出典:USFL.COM