P&G、コーヒーの「フォルジャーズ」をスピンオフへ
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)(NYSE:PG)は、コーヒーブランド「フォルジャーズ」のスピンオフを計画しており、今月末までにその発表を行う予定だ。事情に詳しい関係者が明らかにした。
P&Gは昨年10月、フォルジャーズなどのブランドの売却を検討するため、米未公開株投資会社ブラックストーン・グループ(NYSE:BX)との契約を継続した。同関係者は、フォルジャーズについて売却ではなくスピンオフを決定したのは事業売却にかかわる税金の高さも理由のひとつ、との見方を示した。
フォルジャーズ分離の主な理由は、成長率が2-3%と低く、P&Gが全体の増収率の目標としている4-6%を下回ること。フォルジャーズの年間売上高は20億ドル弱。米国では粉末コーヒーの販売で最大手だが、米コーヒーチェーン大手のスターバックス(Nasdaq:SBUX)の人気やグルメコーヒーブランドの急増に伴い苦戦を強いられている。
今回の動きは、美容やヘルスケアなど高成長・高利益率の分野に経営資源を集中させるというP&Gの戦略の一環。ブラックストーンはフォルジャーズのほか、電池の「デュラセル」、ポテトチップスの「プリングルズ」の売却についてP&Gにアドバイスを行っている。
P&Gの広報担当者は「当社はうわさについてのコメントや憶測はしない」とした。ブラックストーンの広報担当者もコメントを控えた。
出典:日本経済新聞