岐阜メルサ・ファッション館を売却 当面は営業
名古屋鉄道が、所有する岐阜市徹明通の専門店ビル「岐阜メルサ ファッション館」を、石油卸売会社・中川物産(名古屋市港区潮見町、中川秀信社長)グループに売却したことが、31日分かった。売買金額は非公表。3月末に引き渡され、当面は岐阜メルサの名称で引き続き営業される見込みだが、その後の計画は明らかにされておらず、一帯の再開発と絡んで動向が注目される。
同日、名古屋鉄道が中川物産グループの中日建設と土地建物の売買契約を交わした。
ファッション館は本格的なファッションビルとして人気を集め、ピークの1996年度には44億円(テナント料収入のみ)を売り上げた。その後、郊外で相次ぐ大型商業施設の開業や中心市街地の地盤沈下で売り上げが低迷。2002年には名鉄協商に運営主体を移しテコ入れを図ったが、最近5年間は20億円を下回り、06年度は12億円にまで落ち込んでいた。
名古屋鉄道によると、06年4月ごろから岐阜市中心市街地活性化基本計画に基づく再開発への協力を求められ、将来計画を検討したが、新たな投資は困難と判断。売却先を探してきた。同社では「新岐阜百貨店跡地に新商業施設を立ち上げる時期でもあり、駅前に注力すべきと判断した」としている。
4月以後も一定期間は名鉄協商が運営に携わる。南側に位置する岐阜メルサグルメ館については、名鉄協商が土地建物を所有、運営しており、引き続き営業を続ける。
中川物産は名古屋の代表的な石油卸売会社で、各地でガソリンスタンドも経営している。
出典:岐阜新聞