2008年3月9日日曜日

坦々やきそばでまちおこし/湯河原

坦々やきそばでまちおこし/湯河原

 観光客数が伸び悩んでいる湯河原町で、”B級グルメ”の新名物でまちおこしを目指す取り組みが進められている。湯河原町商工会と横浜市内の大手たれメーカーが共同開発したピリ辛味のソースを使った焼きそばで、その名も「たんたんたぬきの坦々やきそば」。認知度と人気は少しずつ高まっているようだ。

 町観光課によると、二〇〇六年の同町の入り込み観光客数は約五百二万八千人で、五年前に比べて六十三万六千人減少するなど厳しい状態が続いている。

 そこで、同商工会では新名物によるまちおこしを図り、宇都宮ギョーザや富士宮焼きそばのような名物を作り出そうと、検討を重ねてきた。

 転機が訪れたのは、昨年十一月初め。大手たれメーカーからソースの共同開発の申し出があった。完成したソースベースの焼きそばは、タヌキが見つけた温泉という湯河原温泉の伝説を生かしたユニークな商品名に。

 ことし一月末に試食会を開き、有名ホテルの料理長が町民や飲食店関係者を前に、焼きそば作りの手本を披露。これを踏まえて希望店舗を募り、二月一日から坦々やきそばの提供が始まった。

 ソースは、練りごまやトウバンジャンなどを主原料としたピリ辛味。店によって味や具材はさまざまで、牛乳を混ぜて味をまろやかにした子供向けやあんかけ風なども楽しめるという。

 湯河原町土肥二丁目のギョーザ専門店「餃子ショップ」では、ゆで卵や豚バラ肉、グリーンピースなどをトッピング。店主の河本志雲さん(72)によると、ピリ辛の味が女性に人気なのだという。常連客の男性(63)は「一度食べると癖になる」とほおばっていた。

 同商工会は、坦々やきそばを食べることができる飲食店や旅館計五十一店舗を紹介したマップを三万部作成、四月中旬ごろから駅前観光案内所や飲食店、旅館など町内百五十カ所以上に置く。また提供する店舗には、目印になるのぼり旗が掲げられる。

出典:神奈川新聞