産地ツアーが人気 県西部の食を堪能 野菜に魚…生産者に会いに行こう
野菜や魚を食卓に届けてくれる生産者に会いに行こう-。県西部地方で、消費者たちが農水産物の郷土産地を巡って収穫体験などをし、その食材のグルメを堪能する2つの日帰りツアーがともに好評だ。その人気の裏には食の安全に関心が高まる中、生産者と対話したいという消費者の思いが潜んでいるようだ。2008年度もいろんな産地に繰り出す。
県西部農林事務所と浜名漁協などは2007年度から「遠州うまいもん紀行」ツアーを始めた。昨年11月の初ツアーは浜松市などから20人の消費者が参加し、貸し切りバスで湖西市岡崎の農業村田喜昭さん(46)方のほ場を訪れた。
一面の青々としたキャベツ畑を前に、村田さんから「食べる人の健康、元気の源になるものを送り出したいと、土づくりのときから考えています」と農業への思いが語られると、参加者らはうなずきながら聞いていた。包丁を手に青々と育ったキャベツを2、3個ずつ、収穫して持ち帰った。
この日はさらに、浜松市西区の舞阪漁協に足を運び、地元漁師からトラフグやマダイ漁などについて話を聞いたり、魚市場などを見学した。この日の昼は、同市中区のホテルで湖西市産のキャベツや浜名湖産のマダイなどを食材に、シェフが特別に腕をふるったランチを皆で味わった。
遠州うまいもん紀行ツアーは年に3、4回開いていく計画。次回は5月15日、浜松市西区を巡り、しらす干し工場やエンドウ生産農家を訪れる予定だ。参加費はホテルランチ、農水産物の土産付きで7000円。定員は31人。問い合わせは県西部農林事務所地域振興課=電053(458)7219=へ。
一方、県中遠農林事務所とオークラアクトシティホテル浜松がやはり07年度から始めたのは「遠州まるかじり紀行」ツアー。こちらは昨年4月の初ツアーを皮切りにすでに4回実施し、申し込みが定員(30-40人)を大幅に超える人気企画に育った。中遠地域の白ネギやレタス、サツマイモなどの野菜産地に出掛けて収穫体験し、同ホテルでそれらを使ったランチを楽しんでいる。
森町でハーブ野菜のバジル摘みに参加した浜松市中区上島の足立幸子さん(58)は「家族に出す食事の安全は何よりも気掛かり。農家の方たちの真摯(しんし)な思いが分かったことが一番の収穫です」と話した。
遠州まるかじり紀行ツアーの次回は4月18日、袋井市でトマトとマスクメロンの収穫体験だが、すでに定員に達して予約は締め切ったという。
ツアーに関する問い合わせは県中遠農林事務所=電0538(37)2262=へ。
出典:中日新聞