関西―粟津直行バス 温泉観光協が今夏運行
小松市の粟津温泉観光協会は今夏、大阪、京都と粟津温泉を結ぶ直行バス便の運行を始める。地元石川に次いで入り込みが多い関西圏からの利便性を向上させ、宿泊客数増を目指す。散策コースの開発などで温泉街の回遊にもつなげたい考えで、八日に開いた説明会で商工会やまちづくり女性会のゆのはな会に協力を求めた。
計画では、バス便は七月二十日から八月末まで毎日一便運行する。午前九時に大阪を出発、京都を経由し、午後二時に粟津温泉に到着する。関西に戻る翌日のバスは午後三時発とする。往復料金は、JRの大阪―小松が一万二千四百円(特急料金含む)に対し、三千八百円を予定、割安感を打ち出す。
バスは一便四十五席。旅館協同組合加盟の六旅館が数席ずつ買い取り、それぞれ受け持ち分を販売する。バス利用の宿泊客が獲得できなければ持ち出しとなり、各旅館の営業力が問われる形となる。観光協会は街中に出てもらう仕掛けも検討する。桂木実会長は昼食場所を記した「グルメマップ」などの作製を提案した。
粟津温泉の宿泊客数は一九九一年の六十一万人をピークに減少し、二〇〇七年は約十七万人に落ち込んでいる。ここ六年で旅館四軒が廃業する逆風の中、桂木会長はバスの運行について「各旅館が座席を買ってでも集客に力を入れるという決意の表れ。宿泊客増に結びつけば継続したい」と話している。
出典:北國新聞