2008年2月15日金曜日

こまち焼き

こまち焼き

 お好み焼き風「こまち焼」、ピロシキ、ロールケーキ「あじあ!ん?ロール」—。外見はおなじみの料理や菓子だが、違うのは原材料として小麦粉ではなくうるち米の米粉を使っていること。試食してみると、どれもしっとりとしておいしかった。

 この3点は、市内の農産物直売所やスーパーなどで食品を販売している“腕自慢”の女性グループ、個人が開発した試作品、商品の一部で、大仙市農林振興課が先日開いた「コメを活用した特産品研究会」に出品された。コメを使った食品といえば、ごはん、おにぎり、キリタンポ、おかきなどの米菓子、清酒などが一般的だが、米粉の活用でコメ食品のイメージを大きく変える料理、食品ができるという発想が新鮮だった。

 特に面白いと感じたのは「こまち焼」。お好み焼きと同じく調理が簡単で、主食にもおやつにも酒のつまみにもなり、具材を替えれば多彩な味付けが可能。提案した上飯田集落営農組合女性部(山田アイ子代表)は「米粉は小麦粉より延びず、堅くなりやすい」という点を補うため、つなぎの材料の試行錯誤を重ね、すりおろしたジャガイモを使うことでふっくらした食感を生み出した。

 研究会では「若い世代を含めみんなに受け入れられる」という声が出され、関係者は「まず地域のイベントへの出店や料理講座などでアピールしたい」とする。市民の前に“デビュー”する日は近い。「横手焼きそばに対抗するB級グルメに育てたい」と、気の早い声も。

 同市内の農家には経営の複合化が徐々に浸透しているとはいえ、米が農業生産額の7割を占める。消費の低迷は深刻な問題だ。米産地として、小さな試みでも消費拡大へさまざまな提案をしていくことは欠かせない。

出典:秋田魁新報