2008年4月27日日曜日

小麦農家が手打ちうどん  熊谷に食堂開店

 熊谷市内の農家が自分たちで栽培した小麦を使い、自らが打ったうどんを販売するファーマーズレストラン「くまどん」が、県営熊谷スポーツ文化公園(熊谷市上川上)にオープンした。地産地消の推進を目指す農家と市、県が連携したちょっと変わった食堂だ。

 レストランを経営するのは、市内で農業や酪農などを営む農家9軒が出資した会社「熊谷グルメファーマーズ」(代表・八木原敏夫さん)。農産物の販売を拡大しようと考えていた農家と、市民から同公園内に飲食店設置の要望を受けていた自治体の思惑が一致。県が敷地を無償で貸し出し、市が事業費の10%を助成。これに農家の人たちが資金を出し合って、鉄骨造り平屋建て276平方メートル、68席のレストラン「くまどん」が出来上がった。

 店では原則として、市内の農家が生産した米や野菜などを食材に使った料理を提供。店の外で新鮮な野菜を販売するほか、持ち帰り可能な弁当やおにぎりもメニューに載せた。

 メーンのうどんは、熊谷市上中条産の小麦「農林61号」と「あやひかり」をブレンド。農家の人たちが自ら店内で製めんする。店の名前をとった「くまどん」は、冷たいうどんにチャーシューや大根おろしなどを載せて、つゆをかけたもので、ボリュームがある。並620円など値段も抑えめだ。

 店名は、〈1〉熊谷のうどん〈2〉熊谷のどんぶり〈3〉熊谷の首領(どん)になりたい――との意味を込めたという。

 23日の開店後は多くの人が行列。うどんを注文した熊谷市大塚の主婦松岡幾代さん(72)は「太いけど柔らかくておいしい。散歩がてら公園によく来るのでうれしい。野菜もいいのがあれば買っていきたい」と話した。

出典:読売新聞